百貨店といえばクレーム!というほど些細なことでクレームが発生します。
それゆえ、百貨店勤務を命じられ嫌がる販売員も少なくありません。
今回は百貨店初勤務の方に向けて、クレームの中でも厄介な電話クレーム対応についてお伝えしていきます。
電話クレームは、最初の電話対応でビッグクレームになるか否かがほぼ決まると言っても過言ではありません。
ですが、
- 共感
- お詫び
この2つをおさえておけば、大抵のクレームはおさまります。
それでは本文にて、電話クレームの対応策を時系列と体験談をあわせてみていきましょう!
百貨店の電話クレーム|ビッグクレームに発展させない3ステップ
百貨店における電話クレームは、以下の3ステップで対応しましょう。
- 電話がかかってきたらお詫び&共感
- 一度電話を切る
- 折返し電話で解決策を説明
この流れで対応していくとスムーズに進みます。
ここでしくじるとビッグクレームに繋がりやすいので、ここはしっかりと肝に命じておきましょう!
それでは順番に詳しく解説していきます。
①電話がかかってきたら、お詫び&共感を!
お客様から怒りMAXのクレーム入電があった際は、まずは共感して心からのお詫びをしましょう!
- お気持ち分かります
- そうですよね
ここでしっかりとお客様の言い分を聞きましょう!
そして、肝心なことは電話対応でビッグクレームに発展させないこと。
そのためには、下記の言動は謹んでください。
- 適当な相槌を打たない
- すぐに返答できない内容に関して、いい加減なことは言わない
- 気持ちのないお詫び
ここで気持ちがこもっていないと、怒りは増長し石ころみたいなクレームが隕石のようなクレームへと早変わりです。
ですので、
- 不手際は潔く認め誠意をもって謝罪する
- 絶対にお客様に寄り添う、すなわち共感する
この2つは必ず徹底しましょう!
②一度電話を切る
次に、詳細や事実関係を確認するために、一度電話を切りましょう。
一度電話を切ることで、お客様自身も冷静になる場合が多々あります。
折返しの電話は早いに越したことはありませんが、クレームの内容によっては対応策を見出すのに時間がかかる場合があります。
あまりにも時間がかかる場合は、放置するのではなく一度中間で折返しのお電話をし、
- 現時点で解決できていること
- 解決できていない点とその理由
この2点をお客様に伝えてください。
また、折り返しのお電話をする際は「10分ほどお時間をいただけますでしょうか。」など、具体的な時間をお伝えすると良いでしょう。
嘘はつかず、誠意をもってお話しすれば、基本的には気持ちが伝わりお客様も段々と怒りが収まっていきます!
③折返し電話で解決策をご説明
最後は折り返し電話です。
お客様の怒りも少し収まっている可能性が高いですし、十分な解決策を携えてのお電話ですので落ち着いてお話ししましょう!
折り返し電話の流れは以下の通りです。
- 改めてお詫びする
└ご心配とご迷惑をおかけしたことをきちんとお詫びしましょう! - クレームが起きた原因をお伝えする
└ex)なぜ壊れたのか…などの理由を説明する - その解決策を端的に分かりやすくご説明
└ex)修理方法・修理期間・お渡し方法など… - 最後に、お客様のOKをいただく
└お客様がご納得することが大前提!
折り返し電話をする時は、どんな質問をされてもすぐに応えられるよう準備していきます。
そのため、一度の折り返し電話で終了することがベストです。
稀に、もの凄い角度から質問を投げかけてくるお客様がいらっしゃいますので、その時は適当な返事はせず、また①番or②番から同じように対応しましょう!
ビッグクレームに発展させないためには、「共感&お詫び」が一番大切ですが、意味不明な回答も突っ込まれる要因とななります。
とにかくすぐに答えられない質問は必ず電話を切ることが鉄則です!
- 私の勉強不足で申し訳ございません
- お調べして改めてご連絡いたします
と添えて一度電話を切りましょう!
お客様のお怒り具合では、①と②の間に
「お客様には大変なご迷惑とご心配をおかけいたしまして」
と付け加えると、より丁寧な対応になるかと思います。
流れが分かったところで、実際に私が体験した事例でイメージしていきましょう。
電話クレーム|時系列と体験談で解説!
今回は、実際に私が体験した2つの電話クレームを時系列でご紹介していきます。
- 購入商品のお渡し間違い
- 30年以上のバッグが不良品と言われる
クレーム①|購入商品のお渡し間違い
ある日の午後、ギフトで小物を数点購入されたお客様。
値段が微妙に違う商品を何点かお迷いの中、やっと決まった数点でした。
ちょうどその時間帯は来店客が少なく、別のスタッフがフォローに入ってくれていたので、
- 私:お会計
- スタッフ:お包み(ギフト包装)
という流れで作業していき、無事お見送りが終了。
ホッとしたのも束の間、お店に入電がありました。
①電話がかかってきたら、お詫び&共感を!
「買った商品が入っていない!あれだけ迷って購入したのに!」とご立腹のお客様。
こちらの不手際100%でのクレームなので、とにかくお詫びと共感(この場合は、言い分を全て聞き、お気持ち分かります)を申し上げ一旦電話を切ることに成功!
②一度電話を切る
詳細を確認する為ストックを見に行くと、お客様が購入したラスト1点の商品が店頭に!!!
えぇぇぇぇーーーーーー!!!!!
思わず叫び、フォローに入ってくれたスタッフに確認すると「入れ間違えた!」と。
一呼吸置き、すぐにお客様への電話対応の準備へ。
実はこのお客様、以前購入した商品が壊れたとお怒り気味で来店されていた方でした。
なんとか修理対応でコトを納めた後のご購入だったので、誠意と勇気を持って再度激怒されるのを覚悟で電話しました。
③折返し電話で解決策をご説明
私共の不手際で、○○さまがお買い求め頂きました商品とは違う商品をお渡ししてしまいました。
大変申し訳ございません。
これから○○さまのご自宅に、商品をお届けにまいりたいと思いますがいかがでしょうか。
- YES→ご都合のよろしい時間帯をお教えいただけますでしょうか。
- NO→ご都合のよろしい日時はございますでしょうか。
お客様はYESとおっしゃってくださったので、本当に感謝しかありませんでしたが、その指定された時間が間に合うか?間に合わないか?というギリギリの時間帯。
これ以上の失敗は許されません。
フォロースタッフと住所とお詫びの品を持って出発しようとした矢先、なんとお客様から再び入電。
「やっぱり、近日中に百貨店に行く用事があるからコチラからお店に伺います。
だから、今日は来なくて大丈夫、商品だけ用意しておいて。」
このお客様は、お約束通り数日後にご来店されスムーズに交換が終了し、全てのクレーム処理が無事終わりました!
改めて時系列で振り返ってみると、対応の順番はいかに大切かが良くわかりますね!
クレーム②|30年以上のバッグが不良品と言われる
この事例は、30年以上前に海外で購入したバッグに関するクレームです。
①電話がかかってきたら、お詫び&共感を!
こちらのお客様は、第一声で「数年前、他のブランドバッグでも同じような現象がおき返品対応してもらったので、コチラのバッグも返品したい」
私は心の中で「いやいやいやいや!!!それはないでしょ!」と思っていたら、矢継ぎ早に
「外商員にバッグ渡したので見てください」とのこと。
えっ、外商付き!厄介だな…と思いつつ、
「拝見いたしましたら弊社のお修理のプロに相談いたしますので、少しお時間をいただけますでしょうか。」と伝え、次回の電話予約を取り付け終了。
今回は、お詫びも共感もほぼできないまま、お客様のペースで進みあっさり電話終了。
②一度電話を切る
幸いお客様都合で折り返し電話は翌日との指定があり、戦闘準備がしっかりできそうな予感しかありません。
そしてその日の夕方、早速外商員がバッグを持って店頭へやってきました。
外商員曰く
- お客様は百貨店の超VIP
- お客様はキャリアウーマンで頭の回転が尋常じゃなく早い
- 他ブランドは全て返品対応
- 口が達者で、少しでも?と思ったら凄い勢いで攻めてくる
- 返品対応ではなく修理対応と言うのなら、100%納得させないと大クレームに発展する
と、とにかく私たちスタッフを脅しまくって帰って行きました。
その後商品を拝見し、クオリティーコントロールへ連絡。
- その年代に作られたバッグは同じような事例があいくつもある
- 新品と交換しても同じ状況にならないとは言い切れないからお修理をオススメする
との見解。
もちろん、私を含め上司も30年以上前のバッグを返品するなんて考えられないので、何がなんでも修理対応で収めると決め、電話の質疑応答を考えいざ電話。
③折返し電話で解決策をご説明
今回は下記の流れでお話を進める予定でお電話しました。
- 誠意を込めお詫び&共感する
- お客様以外にも、同じような事例があり修理している
- 修理により同じような現象が起きにくい素材に変更するため、新品と交換するよりもご安心してお使いいただける
- 修理期間
- 最短お渡し日
- お渡し方法
- 最後にもう一度、誠意を込めて今回のお詫び
最大の難関は③番。
ここでしくじると、あっという間にビッグクレームの仲間入りです。
とにかく丁寧かつ端的に、分かりやすく、ご納得いただけるよう抑揚をつけて説明。
とてもお忙しい方で、回りくどい言い方は好きではなさそうな印象だったので、ズバリと説明していきました。
予想通り、3番のところで「他のブランドは返品してくれた」と何回か言われました。
ですが「弊社としましては〜」と何度も説明し、なんとか「分かりました」とご納得いただけました!
超最速でお修理が終わり、無事バッグがお客様のお手元に届き完全終了しました。
まとめ
今回は、百貨店クレーム電話編として、ビッグクレームに発展させない方法を時系列で解説してきました。
ご紹介した事例の他にも、小さいものから大きいものまで日々お店に入る電話クレーム。
ただの相談だったはずが、スタッフの勘違いから百貨店を巻き込む超超超ビッグクレームになったことがある事例も見たことがあります。
それは、スタッフが最初の入電でお客さまのお話をしっかりと聞かず、自分の先入観で話を適当に聞き、さらには適当な相槌を打っていたからです。
もちろんその後の対応は店長が行っていましたが、
お客様としては「ただ相談したかっただけなのに、なんであんな対応を取られたのか本当に分からない。そんなお店ではないと思っていた」
とお怒りを通り越してガッカリされていたとのこと。
この事例からも分かるように、ビッグクレームに発展させないためにはとにかく最初の電話対応が肝です!
電話クレームは予想だにしない状況でかかってきます。
「あっ怒ってる」と感じた瞬間から、きちんと言い分を聞き「共感&お詫び」を忘れなければ、クレームは最小限ですみますのでこの流れを覚えておいてくださいね!