物語や仕事など物事には必ずピークがあります。
そのよな一番盛り上がる・面白い場面にいたることを「佳境にさしかかる」と言います。
また物語などでは、ピークが終盤にさしかかっていることから、「佳境にさしかかるる=物語の終盤」と捉えるのは間違いです。
本文では、「佳境にさしかかる」の意味や由来、例文を用いて詳しく解説しています。
あやふやだった「佳境にさしかかる」の使い方をしっかりマスターし、博識度をUPしていきましょう!
「佳境にさしかかる」の意味とは終わりではない
「佳境にさしかかる」の意味は、物語や舞台などで最も盛り上がる場面にいたること。
物事がピークにさしかかる時や、最盛期にさしかかる時などに使われることが多いので、終盤や終わりなどと勘違いしている人が多いですね。
「佳境にさしかかる」とは、「佳境」を用いた慣用句。
では、そもそも「佳境」とはどのような意味なのでしょうか。
「佳境」の意味は2つ!
「佳境」には2つの意味があります。
- 最も興味深い場面
- 景色の良いところ
①最も興味深い場面
物語などで、一番興味深い場面、良い場面、ピークを感じさせられることを意味しています。
こちらの意味を用いた慣用句が「佳境にさしかかる」です。
つまり、「終わり」「終盤」などの意味ではありませんので、気をつけましょう!
②景色の良い所
「佳境」は2つの漢字から成り立っており、それぞれには意味があります。
- 「佳」美しい・優れている
- 「境」ある範囲の地域や場所
つまり、美しい場所や優れている場所となり、「景色の良いところ」を意味しています。
「佳境にさしかかる」正しい例文で誤用を回避
「佳境にさしかかる」とは、一番面白い場面や最も重要な場面にさしかかること。
つまり、ワクワクする場面にさしかかる=ポジティブな表現となります。
また「さしかかる」ということは、だんだんと徐々にその場面に至るということ。
ですので、突然その状況になるわけではありませんし、終わりに近づいているわけでもありません。
今回は、間違えやすい使い方を2パターンに分けて解説していきます。
正しい使い方と間違った使い方の例文を参考に、使い方を覚えておきましょう!
- 多忙
- 終盤
①物事のピークではあるが「多忙」のことではない
「仕事の最盛期=忙しい」という状況が重なることから、多忙の時に使う慣用句と勘違いしてる人が多いです。
このような状況は、仕上げの直前に入る時であり、一番重要な場面にさしかかっているため、間違えやすいのでしょう。
「佳境」はピーク・最盛期という意味があるため、「非常に忙しい時」と思われがちですが、それは間違い。
「佳境」には良いところという意味もありますので、ポジティブな表現が正しい使い方となります。
手塩にかけてきたプロジェクトの最も重要な場面ではワクワクしますよね。このように、最も盛り上がる時に使いましょう!
②「佳境」が過ぎ去った後にくるのが「終盤」
ビジネスでも使われることが多い「佳境にさしかかる」。
「これでやっと終わるー!」というような、物事が終わりに近づく時に使ってしまいがちな「佳境にさしかかる」。
ですが前述した通り「佳境にさしかかる」とは、物事が一番面白い・大事な場面にさしかかっているということ。
つまりピーク・クライマックスであり、「物事の終わり」ではありません。
もし、その物事が終盤を迎えているのであれば、それは「佳境」がすでに通り過ぎているということです。
よって、「佳境にさしかかる=終盤」ではありませんので、誤用には注意しましょう!
「佳境にさしかかる」の類義語もピークを迎える!
「佳境にさしかかる」の類義語は、いずれも物事や感情が一番盛り上がった時に使う言葉です。
類義語 | 意味 |
---|---|
山場 | 一連の物事において最も盛り上がった重要な場面 |
ピーク | 物事の最高潮、絶頂、頂点 |
絶頂 | 物事の一番良い状態 |
最高潮 | 感情や状態・雰囲気が最も高まること |
見せ場 | 物事の最も重要な局面のこと |
クライマックス | 物事の緊張や興奮・感動など高揚が最も盛り上がった状態 |
例文を参考にケースバイケースで使い分けると良いでしょう!
- みなさんのおかげで、無事に山場を乗り越えることができた
- 恋愛感情のピークは男女で違うから難しい
- 主役を演じている女優は人気絶頂だ
- 朝から大好きな人に話しかけられて気分は最高潮!
- 女子力の最大の見せ場は手料理だと私は思う
- この物語は驚くべきクライマックスを迎える
「佳境にさしかかる」の対義語はちょっと悲しい
物事のピークやクライマックスの反対なので、どうしても悲しい感じが漂ってくるのが「佳境に入る」の対義語です。
対義語 | 意味 |
---|---|
場末 | 繁華街・都心の中心から離れた場所 |
盛り下がる | 勢いがなくなること、気勢が減退すること |
日常的 | 毎日のように繰り返されること、ふだん通りであること |
こちらも例文を参考にケースバイケースで使い分けてくださいね。
- 場末のバーは、私にとっての癒しの場だ
- 楽しい飲み会で自慢話が始まり、その場が盛り下がった
- 女子力UPのため、日常的にストレッチをするのが私の習慣だ
「佳境にさしかかる」はある日突然やってこない
「佳境にさしかかる」はある日突然やってくるものではありません。
「忙しさ」は突然くることもありますし、クライマックスだから「終わり」だと勘違いしがちです。
ですが、だんだんと一番重要な場面、面白い場面へと差し掛かっていくのが「佳境にさしかかる」です。
意外と間違えやすい言葉「佳境にさしかかる」、ぜひこの機会に使い方をマスターておきましょう!
最後に「佳境にさしかかる」の意味をまとめます。
「佳境にさしかかる」意味 |
---|
舞台や物語などで最も盛り上がる場面にいたること |