今まさに開催しているWBC(World Baseball Classic)の記事です。
日本が全勝で予選突破を決め、オーストラリアが2位通過となりました。
そして、最大のライバル韓国が3大会連続で予選敗退となっています。
また、チェコ共和国はほかの職業に勤めつつ、野球代表として頑張っていました。
中国も善戦しましたが惜しくも予選敗退です。
ここまでは同じプール(グループ)なので皆さんご存知なのではないでしょうか。
今回はWBCのプールAで起こったある出来事、予選の順位の決め方について書いていきます。
WBC2023で起こった出来事は?
今大会のプールAで起こったこととしては「全チームが2勝2敗」で並んだことです。
スポーツの大会だと、基本的には勝ち数で順位を決めることが多いです。W杯もそうですね。
それが、今大会では5カ国が並んだため、勝敗で順位を決められませんでした。
最終順位は以下の通りです。
1位 キューバ
2位 イタリア
3位 オランダ
4位 パナマ
5位 チャイニーズ・タイペイ
それだけ実力が拮抗していたとも言えますね。では、最終的にどうやって順位、つまり通過方法が決まるのでしょう。
予選順位の決め方
順位の決め方には優先順位があります。
今大会で対戦成績で並んだ場合は、以下の優先順位となっています。
- 当該チーム同士の対戦成績
- 当該チームとの対戦での失点率
- 当該チームとの対戦での自責点率
- 当該チームとの対戦での打率
- 抽選
それぞれどういった決め方か見ていきましょう。
優先順位① 当該チーム同士の対戦成績
読んだ通りでとてもわかりやすいです。
それぞれの直接の対戦結果で勝った国を高い順位にするという決め方です。
例えば、キューバとイタリアが対戦成績で並んだ場合、キューバ対イタリアの試合で勝った国が順位としては上になります。
実際の試合結果としては、イタリアが6-3でキューバに勝ちましたから順位が優先されます。
ただ、プールAの予選でこの通りにならなかったのは5カ国の対戦成績が同じだったため、優劣を決められなかった点です。
優先順位② 当該チームとの対戦での失点率
続いて見られる指標は失点率です。
W杯だと得失点などで見られますが、WBCは失点率を第2に見ます。
失点率の考え方は以下の通りです。
失点÷守備イニング=失点率
例えば、9イニングで1失点だった場合は「1÷9=0.12」です。
この失点率が低ければ低いほど順位が高くなります。
予選突破するためには勝敗のほかに失点しないことも頭に入れてプレーする必要がありますね。
優先順位③ 当該チームとの対戦での自責点率
3番目に見られる指標は自責点率です。
失点と自責点だと少し違います。
失点とは、純粋に「チームが取られた点数」です。
自責点とは、「投手の責任で取られた点数」です。
例えば、野手がエラーやミスをして出したランナーが得点した場合、失点にはなりますが自責点にはなりません。
投手の責任ではないからですね。
自責点率の計算方法は失点率と同じで「自責点÷守備イニング」です。
自責点は失点より少なくなりますし、エラーなどは記録員の判断にもよるので難しいところがあります。
そのため、まず見られるのは失点、そして次が自責点となっています。
優先順位④ 当該チームとの対戦での打率
4番目に見られる指標は打率です。
打率はWBCだけでなく、日本プロ野球のシーズンでもよくつかわれる指標です。
個人成績で打率がリーグ1位だった人は「首位打者」と呼ばれますね。
打率とは、「安打数÷打数」で計算されます。
打席数ではなく打数です。打数は、打席数から四死球や犠打などを抜いた数です。
優先順位⑤ 抽選
ここまでで順位が決まらず、同順だった場合にはWBCI(WBC大会運営会社)の抽選となります。
打率までで順位が決まらないことは考えにくいですが最悪の場合は抽選で順位を決めます。
WBC2023の最終結果
今回のWBCプールAの予選に関していえば、前述した通りの順位となりました。
最終的に見た指標は「優先順位②失点率」です。
対戦成績が同じでしたので「優先順位①当該チーム同士の対戦成績」を見ることになりますが5カ国が同じですから優劣をつけられません。
そのため、次の指標失点率を基に予選通過国、順位が決定しました。
具体的には以下の通りです。
1位 キューバ 0.42
2位 イタリア 0.47
3位 オランダ 0.56
4位 パナマ 0.60
5位 チャイニーズ・タイペイ 0.89
そのため、直接の対戦で勝ったイタリアよりキューバの方が順位が上でした。
まとめ
WBC予選の順位についてまとめていきます。
順位の決め方は、まず対戦成績で決まります。
それでも順位が決まらなかった場合は、以下の順番で優劣をつけます。
- 当該チーム同士の対戦成績
- 当該チームとの対戦での失点率
- 当該チームとの対戦での自責点率
- 当該チームとの対戦での打率
- 抽選
この順番でより数字の良い国が順位としては上になります。
今回の大会では、プールAの5カ国がすべて2勝2敗となったため、②当該チームとの対戦での失点率で順位を決めるということが起きました。
まだまだ予選も続いてますし、この後準々決勝から決勝までが行われるWBC。
選手の活躍もそうですが、予選の結果も注目して楽しんでください。